天使の贈り物
「あっ、あの……。
そーすけさん?
どうして、そーすけさんを通りすがりの人たちは
見ていくんですか?」
「そう?
彩巴ちゃんの気にしすぎじゃない?」
私の言葉は、あっと言う間にスルーされて
そーすけさんは、
そのままコインパーキングへと向かった。
RX-7。
そう記された真っ黒の車。
鍵を解除すると、
私が乗りやすいように、
助手席のドアを開けて
エスコートしてくれる。
乗り込んだシートは、
かっちりとしたタイプで、
レーサーとかが使ってそうな
タイプだった。
運転席に乗り込んだ、そ-すけさんは
そのままエンジンをかけると、
精算を済ませて、車を走らせた。
心地よいエンジン音を感じながら
走り続けること、20分。
峠を越えた先に開けた空間が広がっていって、
その場所に車をゆっくりとと停車した。
「こっち」
同じようにエスコートして、
車から出るのを確認すると
そーすけさんは、ロッジっぽい作りの
建物の中に入っていった。
「いらっしゃいませ。
おっ、奏介。
久しぶりに姿見せてないか?」
「まぁな」
「あっ、お連れさん付ね。
いらっしゃい。
ゆっくりしてってよ」
金髪のちょっぴりホストっぽいルックスを持った
その人が、私に声をかける。