天使の贈り物 



「これに今日の日付と、
 お前たちのサイン、バンド名、メッセージ心意気。
 書いてくれ。

 これがお前たちが有名になった時、
 俺の宝物になる。

 大物になれよ」





そう言って笑いながら、
マスターはステージの方へと歩いていった。





煉瓦を手にして、
最初に晴貴が自分の名前を記入する。

晴貴から託された煉瓦に、
次は俺が名前を記入して、その後も煌太・悠生・翔琉と
一つの煉瓦が次々とバトンされていく。


煉瓦の一面に、五人の名前を書き終えた後、
晴貴がNAKED BLUEっと
バンド名をデカデカと書き加えた。




「メッセージ、どうする?」




そう言った俺に、
リーダーでもある晴貴は、
間髪入れずに切り返した。



「やっぱ、Dreamsだろ。
 俺たちの最初のオリジナル曲だ」

「あぁ。
 俺も晴貴に賛成だ」


そうやって同意するのは煌太。


次々と悠生・翔琉も同意して
俺も頷くと、
晴貴はその下に『Dreams』っと書き添えて
最後に、今日の日付を入れた。



俺たちバンドの最初の
サインが、こんな形で記念に残った。







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