天使の贈り物
その一週間後、
俺たちは夢の舞台へと立った。
Strawberryfieldsを見に来てた
客たちにとって、
俺たち前座のバンドは対象外。
冷たい雰囲気が漂った空間に、
美空は助け船を出すように、
出番でもないのにステージへと姿を見せた。
「今日は、来てくれてありがとう。
私たちの曲の前に、
今日は皆に紹介したいバンドが出来たから
前座に演奏して貰うことにしたんだ。
NAKED BLUE。
いいの歌うからさ、
少しだけ皆の時間貰っていい?
後悔なんて、絶対にさせないから」
美空はそう言うと、
自分が手にしていたマイクを
ボーカルの晴貴へと手渡した。
そのままステージの袖へとはけて行った
美空を見送って、
俺たちの最初のステージが始まった。
演奏曲、二曲だけのステージだったけど
それだけでも俺たちには貴重な経験で、
美空がフォローしてくれた後からは、
美空たちのファンの奴らも、
俺たち五人を暖かく迎え入れてくれた。
最初の夢が叶った日、
俺たちの夢は、
大きく動き始めた。