天使の贈り物
4.共演
美空たちのユニットの前座として
演奏させて貰ったあのステージから二週間後。
更に、対バンでのステージが決まった。
初対バン。
本格的に始まった、
チケットノルマ。
3000円のチケットが50枚。
一人、10枚ノルマ。
30000円負担。
それぞれの学校の準備の合間に、
バイトでスタジオのレンタル費用を作って
機材を運ぶための車を中古で手に入れた。
高校の時の知り合いに声をかけながら、
半ば強引に、チケットを購入して貰って
動き出した俺たちの夢の始まり。
そんな初経験が回数を重ねて行って、
少しずつ俺たちのLIVEの動員数を増えて行った。
生の音にこだわり続けた
チューニング。
煌太のバズーカーなサウンド。
晴貴の魂に訴えるように
叫ぶように歌い続けるメッセージ。
悠生の安定したべ-スサウンド。
俺のギターでのバッキングに、
翔琉の哀愁すらも感じる、
ギターのフレーズが重なり合う一体感。
ステージのライトが心地よかった。
観客のダイレクトな反応が
気持ちよかった。
俺たちのサウンドを聴いてくれる人がいる。