天使の贈り物
そんな時間が、
とてつもなく愛おしかった。
楽屋に届けられる、
ファンレターも少しずつ姿を見せて
俺たちは、今以上に上を目指したいと
練習にも張り合いが出始めた。
練習、バイト、新曲づくりの地下作業。
そんな繰り返しの時間を我武者羅に続けた
半年後、再びマスターから
strawberryfieldsとの
共演の話題が持ち上がった。
このLIVEハウスの2トップのサウンドとして
盛り上げてほしいと、依頼されたステージ。
俺たちに断る理由なんてなかった。
相手が誰であれ、
俺たちがやることは
何一つ変わらないのだから。
だけど……やっぱり、
そんなことを思ってはみても、
嬉しいのには違いなかった。
美空と……アイツと久しぶりに再会できる。
そしてアイツの曲が
この耳で聴ける。
その後もいつも以上に練習に気合を入れて、
その日に向けて調整していく。
流行る気持ちと必死に向き合いながら、
暇さえあれば、
ギターを触り続けた。
TVを見ながら、
ギターを抱えて無心に指を動かす。
そうやって迎えた、
久しぶりの共演の日。
俺たちの楽屋を誰かがノックした。