天使の贈り物
「げっ、勢いで誤魔化せねぇな」
「だろうね」
「まっ、晴貴の本気を見せて貰うよ」
そんな会話をしながらも
本番の瞬間まで、
俺たちは食事も惜しんで練習つづけた。
Strawberryfields。
NAKED BLUE。
そして合同でステージにあがったその日。
2つのグループのファンが
マナーよく入り混じったその空間に、
ゆっくりと広がっていく美空がアレンジした
お互いの代表曲の新アレンジ。
美空の透明感のある歌声に、
晴貴の掠れるような声が
重なるようにあわさって
大歓声の中、ステージの幕は閉じた。
この共演が引き金となって、
俺たちの関係は、
ゆっくりと歩み始めた。