天使の贈り物
「美空……。
今、俺どういっていいかわかんねぇ。
けど……、
strawberryfieldsが解散になっても、
お前にはその声がある。
お前の透明感のある声、俺は出会った時から惹かれてた。
魅了されて止まなかった。
一からのスタートになる。
strawberryfieldsに比べたら、
俺はまだまだ未熟かもしれない。
だけど俺はNAKED BLUEと並行して、
お前とのサウンドも作っていきたい。
そう思ってる。
俺じゃ、頼りないか?」
座り込んだままの美空の肩にさっと手を添えて
ゆっくりと立ち上がらせると、
そのまま俺は美空を抱き寄せた。
抱き寄せながら、
確信犯で、唇を美空へと押し付ける。
『狼になっちゃえ』
脳内で響くのは、
面白がる晴貴の声。
抵抗されても仕方がないとおもって押し付けた唇。
だけど……美空がとって行動は、
俺の予想を超えたものだった。
背伸びして自ら腕を絡めてくる美空。
そしてそれは、驚きを隠せない俺自身に
そのまま舌を絡めるように深い口づけを返してきた。
ただLIVEハウスの前。
お互いを確かめ合うように、貪りあうように
唇を重ねあう時間。
シーンとした中に響く、
リップ音。
やがてその場所を離れて、
俺たちはホテルへと雪崩れ込んだ。