天使の贈り物
どうしていいか、
どうしたいのかすらわからない
俺の未来に寄り添ってほしい。
縋るような想い出
続けるコール。
コールをかける度に、
彩巴の応答のない虚しさは
更なる暗闇に、
孤独に俺を閉じ込めて行った。
……幻滅されたか……。
溜息交じりに呟きながら、
俺はお酒へと手を伸ばして、
グラスを一気に掴むと、
一気に流し込んだ。
時折、痛む鳩尾の痛みに
違和感を想いながらも、
その手を止めることは出来なかった。
彩巴、お酒、眠り、美空、孤独。
全ての時間が、断続的にループを続ける
無限地獄の様にも感じた。
ふいに携帯が振動と共に着信を告げる。
『彩巴?』
重怠い体を起こして、
携帯の画面を見つめるものの
着信相手は成実。
彩巴じゃないことに、
心の中では寂しさをより感じながら
俺は、その電話を受信する。
「奏介?
ちょっと、アンタいったい何やってんの?
彩巴はねー……
彩巴はちゃんと前を歩こうってしてるのに。
アンタは何時まで、美空先輩を引きずってんのよ。
奏介の我儘で、何時までも美空先輩をこの地にとどめておくなんて
私が許さないんだから。
美空先輩も、晴貴のこともちゃんと
解放してあげてよ……。
もう大丈夫だよ、安心していいよって
自由になっていいよって、
アンタの心と態度で伝えてあげてよ。
友達だからこそ、恋人同士だったからこそ
そう言う優しさと思いやりがあってもいいでしょ?」