天使の贈り物 




昨夜の21時頃までは一緒に居たのに……。




アリサとのユニットである、
Strawberryfieldsを解散した美空。


だけどソロとなっても、
美空はアリサの許可の元、
Strawberryfieldsを名乗ることを決めた。


その隣には、
美空をサポートし続ける俺。


Strawberryfields with 奏介。


ありきたりなストレートな名前だったけど、
それでも、美空が未来を見据えて歩き始めたことは
俺には何よりも嬉しかった。



そんな美空を誰よりも近くで
見守ることが出来る俺自身が。





美空と俺。

そしてNAKED BLUEの奴らや、
俺らのダチが入れ替わりサポートしながら
作り上げていく、新StrawberryfieldsのLIVE。


次のLIVEを1週間後に控えて、
その日まで、俺たちは練習と新曲づくりに没頭していた。


ようやく新曲が完成して、
一段落ついたと感じて、
久しぶりに、それぞれの家へと帰ることを決めた。




自宅に帰った後も、
2時間ほど、将来のことを話し合う。



その瞬間まで、
俺たちの未来は希望に溢れていた。


そんな話し合いから4時間後、
巨大な揺れが俺たちの街をおそった。





晴貴不在の自宅。


俺の部屋も、隣の晴貴の部屋も
壁際に並べていた全ての家具が、本棚の中身が
床へと落下していた。



倒れた食器棚。
割れて散乱した食器。


棚から落ちたオーディオ。




停電した電気。


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