天使の贈り物
9.再会
「奏介、奏介?」
俺の名を呼ぶ声が聞こえて
重たい瞼をゆっくりと開く。
視界には真っ白な天井。
そして疲れ果てた表情を見せる翔琉。
「翔琉……」
「ったく、翔琉じゃねぇって。
予約してた通院日には姿を見せない。
電話は繋がらない。
気になって押しかけて見たら
中から物音が聞こえた。
心配になって管理人に事情を話して
鍵を開けて貰った。
そしたらお前は吐血して、
部屋で倒れてる」
「吐血……?」
「穿孔な。
奏介、胃潰瘍だったから。
暫くは、入院。
いっそのこと、不健康な体を徹底的に
改善していけ」