天使の贈り物
そーすけさんの友達……。
そーすけさんを知る人だったら、
何か……
聞きだせるかもしれないよね。
私が知らない、
そーすけさんの秘密。
そーすけさんが……
いつも寂しそうな理由を。
「あっ、彩巴。
ごめんごめん。
今さぁ、ファミレスにいるんだよね。
彩巴の家の近所のさ。
じゃ、来るでしょ。
待ってるから」
早々に用件を伝え終えて、
切られた電話を、ゆっくりと鞄に片づけて、
そのまま指定のファミレスへと向かった。
人が少ない店内をキョロキョロと見渡すと
成実が、煌太さんらしき
男の人と一緒に居るのを見つけた。
「成実、お待たせ。
いきなり、電話だもん
びっくりしちゃった。
初めまして。
藤堂彩巴です」
成実に声をかけるのと同時に、
成実の向かい側に座る、
煌太さんにお辞儀をした。
「へぇー。
成実、この子が彩巴ちゃんなんだ」
意味深な言葉を紡ぎながら
私をジロジロと見定めるように
見つめる煌太さんの視線。
「どう?」
「面白そうじゃん」
煌太さんは、成実の問いに
悪戯をするような笑みを浮かべて答えた。
面白そう?
何?
それ?
成実と煌太さんの会話が、
私をビクビクさせていく。
「ごめんごめん。
彩巴ちゃんだったねー。
オレさ、そっき成実が話したと思うけど
煌太。
宜しく。
彩巴ちゃんは、
奏介の彼女ってことでいいのかな?」
彼女?
煌太さんが紡いだ、
その響きが嬉しくて
そのまま顔を俯ける。