天使の贈り物
約束の時間。
大学の校門を出ると、
そこには……久しぶりに会った
成実と煌太さんが2ショットで
私を出迎えてくれた。
「お久。彩巴」
「うん……」
あの悠生さんのお店で、
そーすけさんと一緒に飛び出してから
何となく会えないまま、
ズルズルと時間が過ぎて、
成実とあったのは本当に久しぶり。
成実……
元気そうに振舞ってるけど、
やっぱり調子悪そうに映る。
「ちーす。彩巴ちゃん、
奏介とは相変わらず?」
そう言って、私をリラックスしやすいように
気さくに話しかけてくれるのは
煌太さん。
「はいっ。
相変わらずです……って言うか、
今……どうしていいかわからなくて。
今日、成実にメールしたんです」
「そう。
とりあえず……悠生の店まで、
車、走らそうか?」
「ほらっ、
成実を乗れよ」
さり気なく、成実を助手席に誘導する
煌太さんは、何故か……凄く、紳士的で
かっこよく映った。
同じように、
ボックスカーの後部座席を開けて
私を車内に誘導すると、
ゆっくりとそのドアを閉めて、
車を走らせはじめた。
「それで、今日……
俺たちにあってるのは、
奏介、知ってるの?」
運転席から後ろに向けて、
少し大きな声が投げかけられる。
車内に広がる音楽は……
そーすけさんと同じようなサウンドなのに
その車の香は、
そーすけさんの車と違う。