天使の贈り物
だけど……、
このままの関係が続くなんて、
やりきれないよ。
そーすけさんが触れる、
その感触も……吐息も……
肌と耳と唇が全て覚えているのに……
そーすけさんの心だけが、
見えないなんて……寂しすぎるから。
今日も……、
講義中に……
そーすけさんからのメールがあった。
それを……バイトを理由に断って、
私は彼の過去を知る旅に出ようと決めた。
★
To:成実
[sub] 今日、時間欲しい
バイトの前に逢えないかな?
彩巴
★
返信は時間を待たずして
送られてきた。
☆
成実
[sub] Re:いいよ
悠生のお店でいい?
煌太に迎えに来させるよ
☆
約束の時間。
大学の校門を出ると、
そこには……久しぶりに会った
成実と煌太さんが2ショットで
私を出迎えてくれた。
「お久。彩巴」
「うん……」
あの悠生さんのお店で、
そーすけさんと一緒に飛び出してから
何となく会えないまま、
ズルズルと時間が過ぎて、
成実とあったのは本当に久しぶり。
成実……
元気そうに振舞ってるけど、
やっぱり調子悪そうに映る。
「ちーす。彩巴ちゃん、
奏介とは相変わらず?」
そう言って、私をリラックスしやすいように
気さくに話しかけてくれるのは
煌太さん。
「はいっ。
相変わらずです……って言うか、
今……どうしていいかわからなくて。
今日、成実にメールしたんです」
「そう。
とりあえず……悠生の店まで、
車、走らそうか?」
「ほらっ、
成実を乗れよ」
さり気なく、成実を助手席に誘導する
煌太さんは、何故か……凄く、紳士的で
かっこよく映った。