天使の贈り物 




だけど……、
このままの関係が続くなんて、
やりきれないよ。




そーすけさんが触れる、
その感触も……吐息も……
肌と耳と唇が全て覚えているのに……
そーすけさんの心だけが、
見えないなんて……寂しすぎるから。



今日も……、
講義中に……
そーすけさんからのメールがあった。


それを……バイトを理由に断って、
私は彼の過去を知る旅に出ようと決めた。







To:成実

[sub] 今日、時間欲しい


バイトの前に逢えないかな?


彩巴








返信は時間を待たずして
送られてきた。







成実

[sub] Re:いいよ



悠生のお店でいい?


煌太に迎えに来させるよ









約束の時間。



大学の校門を出ると、
そこには……久しぶりに会った
成実と煌太さんが2ショットで
私を出迎えてくれた。




「お久。彩巴」

「うん……」



あの悠生さんのお店で、
そーすけさんと一緒に飛び出してから
何となく会えないまま、
ズルズルと時間が過ぎて、
成実とあったのは本当に久しぶり。


成実……
元気そうに振舞ってるけど、
やっぱり調子悪そうに映る。



「ちーす。彩巴ちゃん、
 奏介とは相変わらず?」



そう言って、私をリラックスしやすいように
気さくに話しかけてくれるのは
煌太さん。



「はいっ。

 相変わらずです……って言うか、
 今……どうしていいかわからなくて。

 今日、成実にメールしたんです」


「そう。

 とりあえず……悠生の店まで、
 車、走らそうか?」

「ほらっ、
 成実を乗れよ」



さり気なく、成実を助手席に誘導する
煌太さんは、何故か……凄く、紳士的で
かっこよく映った。
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