天使の贈り物 



私は……
貴方にあったことがないけど、
成実を守ってくれて有難う。


そんなことを思いながら、
静かに祈った。



その後、向かったのは……私が住んでた家。

びっくりしたのは、その晴貴さんのお墓の近くに
家があったと言うこと。


全てを灰にかえす勢いで燃え盛った炎は、
殆どの目印を奪って、
自分の家を探すのに時間がかかった。


空き地とプレハブだらけの場所。

ようやく辿りついたその場所に、
想い出の建物はない。


崩れるように
その場所に倒れ込んで、
土を掴みながら泣いた。





……ただいま……。


そして……行ってきます。






ただ……
それだけを伝えたくて。





流すだけ涙を流して、
その土を掴み取ると、
鞄の中に忍ばせてきた袋に、
一掴みしていれる。





そんな私を、今度はそーすけさんが
何も言わずに見守ってくれた。



朝から一日動き続けて、
太陽はゆっくりと沈みだす。



家のあった場所に別れを告げて
その場所を離れながら、ふと思う。



LIVEハウス。
晴貴さん。



私の知らない、
そーすけさんの二つは知ることが出来た。

でも……みくさんに関しては、
何も知らない。




正直、知りたいけど……
切り出されるのには、覚悟がいる。



その瞬間がいつ来るのかに怯えるように
ビクビクとしながら、彼を見つめた。



「もうすぐプレギエーラ始まるね。
 列に並びながら、
 少しつまみぐいでもしようか?」


祈りのイルミネーションのアーチが広がる
幻想の町の入口に連なる列に並びながら、
豚まんをつまみぐい。
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