天使の贈り物 




無茶苦茶だって言うのは
わかってるつもり。




わかってるつもりだけど、
溢れる思いは、私自身もぐちゃぐちゃで……。


自分でも良くわからない。




ただ……わかってるのは、

私は……
本気で、そーすけさんが好きだってこと。


私の知らない、みくさんに嫉妬して
劣等感を抱いてしまうくらい、
みくさんと私を比べすぎて、
自分を追い落としてる。




みくさんよりも、
素敵な私。



みくさんを超える私。





私の知らない、
みくさんは……
どんどん私の中で、
雲の上のかけ離れた人になってく。






どんどん突き放されていく距離に
想いに……何も出来ない自分が、
浮き彫りにされていくだけ。






嫉妬に苦しみ続ける私なんて嫌い。






貴女が生きていてくれたら、
貴女に振り回されることなんてない。





目の前に映る貴女を見据えて
私も貴方の影に怯えることなく
そーすけさんだけを思って
過ごせるのに……。






声を殺して閉じ込める想いは
今も伝える宛も、
吐き出す先も見つけられずに
部屋に灯した、
小さな蝋燭の灯りを見つけながら
心の中で思う。






そうやって……
劣等感を感じる私も、
誰かの責任にする私も、
嫌いだよ……。






灯りから目を背けて、
フォトフレームの中で笑う
家族を見つめる。







お父さん、お母さん……。


どうして、私だけ
今もこうやって、
生きなきゃいけないの?



こんな思いまでして……。




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