天使の贈り物
……だからさ……。
お願いだよ……。
みくさんが、
そーすけさんを解放してよ。
みくさんが解放してくれたら、
私が……
そーすけさんを守るから。
私が……守るから……。
貴女が遺した思いも
受け止めて……
二人分の想いで、
彼を包み込むから……。
だから……
傍に居てよ……。
私の体も……
時々、
かしてあげるから。
瞬きすることなく、
蝋燭の炎を見つけ続けていると、
その炎が、時折、激しく揺らめく。
みくさん……。
貴女を感じさせて……。
私たちが、
もう一度、歩き出すために……。
ふと、何処からか風が漂い
蝋燭の炎が、ゆっくりと消えた瞬間、
携帯電話が鳴り響く。
着信相手は成実。
覚悟を決めたように、
着信ボタンを押す。