天使の贈り物
「……成実……」
「彩巴、奏介のことは
アンタに任せるから。
助けてやってよ。
傍に居てやってよ、支えてやってよ。
アンタのやり方でさ。
その為に……アンタが
美空を知りたいって言うなら、
私が全部、教えてあげるよ。
私が知ってる二人をさ。
奏介視点の二人の世界じゃなくて
私が見て来た二人をさ。
病院で待ってるから」
そう言うと、
成実からの電話はプツリと消えて、
階下から、女将さんが私を呼ぶ声が聞こえた。
煌太さんが迎えに来た。
支度を整えて部屋を出る間際、
フォトフレームの中のお兄ちゃんを見つめる。
微笑む兄が、
背中を押して応援してくれてるように感じた。