天使の贈り物 


「……みくさん……。

 見つけた……」

「美空は、美しい空って書いて
 美空って言うんだ。

 ちなみに本名な。

 美空も音楽をやってるヤツでさ、
 何度かLIVEハウスで会うたびに
 仲良くなったんだ。

 それが縁で、NAKED BLUEのピアノを
 弾いて貰ってレコーディング手伝って貰った。

 美空のユニットが解散した後、
 落ち込んでた美空を支えて、
 NAKED BLUEを手伝わせたのが晴貴。

 晴貴は、美空の感性を高くかってたから。

 それからいつも行動をとるようになって、
 何時からか、
 奏介の隣で微笑むようになってた」



何度かレモンティーを口元に運びながら
紡がれる昔話。



「ねぇ、成実……。

 私、美空さんに勝てそうにないよ。
 どうしたらいい?

 勝つとか負けるとか関係ないよ。
どうしたら、そーすけさんを
 もう一度、笑わせてあげれるかな?

 美空さんから解放してあげれる?」





そう……。


そーすけさんの悲しみを
少し出てもやわらげてあげたいだけ。







「彩巴……」


「ねぇ、
 美空さんの遺品ってないの?」




思い切って尋ねてみる。



私が助けられないなら、
美空さんに助けて貰って、
解放して貰ったらいいじゃん。


そう思った考え方は
歪められないから。

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