天使の贈り物
「遺品って、
彩巴……どうするの?」
「私……、昨日……蝋燭の炎を灯しながら
美空さんと話したんだ。
美空さんは、そーすけさんを守ってて。
離れなくていいから、
一緒に見守っていこうよって。
見守るためには、
そーすけさんに気が付いて貰わないと。
今も、傍に美空さんが居るってさ。
美空さんと私が、此処にこうやっているって
自覚してほしいから」
そう……。
美空さんが伝えられなくなった思いは、
私が……
代わりに架け橋となって伝えるの。
そして……美空さんの想いも
受け継いで、天使の贈り物を抱えて
傍に居たいと思うから。
「そっかー。
彩巴が、そこまで奏介と美空のこと思ってたんだ。
美空も喜んでるんじゃん?
今の奏介、
危なっかしくて見てらんないからさ。
一度も、美空が怒鳴りに来ないのが不思議だって
思ってたら、彩巴が隣でいるから
アイツ……降りてこなくて良かったのかな?」
そう言うと、
鞄の中から取り出した
手帳にささってるペンを取り出して
紙ナプキンの上に、ペンを走らせる。
そして、そのまま
私の前にさしだした。
ナプキンに綴られたのは、
地図と住所。