天使の贈り物
「奏介の症状を知りながら、
何も言わなかったのは、
医者としての守秘義務があるから。
奏介に口止めされてたからな。
だから……今も、
これを言うのはマズイんだ。
医者としての俺だったら。
けど、アイツは
今でも俺の仲間だからな。
あのバカを助けてやってくれよ。
んで、またやろうぜ。
あの頃みたいに活発じゃなくていい。
仲のいい奴らが、
互いの絆を確かめ合うように
演奏するだけでいいんだ。
それだけでも……
アイツは前に進めるばすだから。
その為には、
アイツが自分で科した、
足かせを外さなきゃいけない」
そう。
そのそーすけさんの足かせは
私が……美空さんと
外してあげたい。
そーすけさんが、もう一度
自由に大空を羽ばたけるように。
「あの……。
お願いがあるんです。
皆さんの力、貸してほしいんです」
思い切ってそう告げると、
メンバー視線が集中する。
封筒の中から最後の
小さなCDを取り出す。