アイスクリーム ~たくされた想い~
笑ってない
教室につくと席を確認し、座った。

そして、初まりのチャイムが鳴った。

ーキーンコーンカーンコーン。

自己紹介をすることになり、クラスの1人1人がそれぞれ特技などを言っていった。

クラスのほぼ全員が終わったあたりで
見覚えのある顔が自己紹介を始めた。

『渡辺 飛鳥です!
みんな、よろしく!』

そう、それはまぎれもなく朝の少年だった。
まさか、同じクラスとは…

ー休み時間。
フレンドリーな彼にはすぐに友達が
できた様だ。
私はもちろん1人だが…

そんなことを考えていると、彼が話しかけてきた。
『朝の人だよね。ホントゴメン!』
そう言った。特に気にしていなかったので、『別に。』と答えた。

すると、彼はふと、こんな事を聞いてきた。
『ーどうして笑わないの?』
こいつもか。
『笑うのが苦手なの。』いつも通り答えた。そう答えればみんな『そうなんだ。』などと言って去っていくはずなのに、こんな言葉が帰ってきた。

『違う…』
『…は?』

思わずそう言ってしまった。
この人は何を言ってるの?

『君は、笑えないんじゃないかな?』
『どういうこと?』
『君、全く笑ってない。誰かに話しかけられた時とか、普通愛想笑いくらいするでしょ。君、笑ってない。』
『…あなたには関係ない。』
そう言って、私は教室から走って逃げた。
『えっ!あっ!ちょっと!』
そう言ってるのも無視して…

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