黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
また黒猫の姿になったアリスに、今度こそ大人しくするよう、しっかり言いつけて。それから大きなトートバッグの中に猫をしまい、自転車でカフェに向かう。





道中不思議に思ってた事を聞いてみる。



「どうして雨の日、あんなとこにいたの?」



ひょっこり顔だけを覗かせ、アリスはなんて事もないように答える。



『人間界に強制修業出されたんだ。そこで、思いついたのが同情作戦だ。可愛い黒猫を見れば、女が拾うだろうと思ってな……男だったら噛みついてやるとこだったが』

「……へえ」



聞いた私がバカだったよ。



< 10 / 61 >

この作品をシェア

pagetop