黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
一匹と一羽の世話で、疲れた私はバイトを仮病で休んだ。



電話越しで店長……じゃなかった。恭夜が、不気味な沈黙の後わかった、とだけ言ったのがすごく気になるけど。



私は黒猫と烏のまま寝ているのを確認し、気分転換のために、公園へ向かった。

たまには息抜きしないと、持たないのよ。一羽増えたら、さらに部屋が散らかるようになったので、毎日掃除三昧だ。



そして……早朝の公園前で見たものは――プラカードをさげた白鳥。



「……」



一瞬自分の目がおかしくなったのかと思い、こするけど、こすっても目の前の白鳥は消えない。



いっそ消えてくれたら、夢だって笑い飛ばせるのに。


どうやら現実っぽいです。



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