黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
「吸血鬼と烏から、貴方をお守りします。僕はルイン。天使です」
きらきらした笑顔でそう言われ、思わず頷いてしまった私を黒猫が睨む。
「あ、僕は家事全般得意ですので、お任せください」
「ほんと!? 助かるよ〜アリスが散らかしちゃうから、もう大変で大変で」
「はい」
もうこの際、細かい事はどうでもいいや。
だって、ルインみたいな礼儀正しい美少年と、この先出会える保証もないもんね。
私……。
ルインの笑顔にやられました。だって、かわいい。そこらのテレビに出てくる人より、かわいい上にイケメンなんだもん。
女の子はいつだって、そういう存在に弱い。
お兄ちゃんの鬼のような顔が浮かぶけど。嫁入り前の〜って説教されるだろうな。
お兄ちゃんはとにかく頭がね……妹思いと言えば、聞こえはいいんだけど。
こうして、ルインくんにあっさり落ちてしまいました。