黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
「むっ。じゃあ、この状況どう説明するのよ?」

『そんなの簡単だ。足りなくなって、元の姿に戻ったんだろ。いくら白狐でも万能じゃないからな』



………………へ?今なんて?



私の空耳かな……今白狐って、聞こえたような。



『最初に来た時は人間だったから、気配を読めなかったが。さすが狐ずる賢いな』



黒猫はトートバッグから床に移動し、迷う事もなくミニ冷蔵庫がある奥の部屋に歩いていった。



「ちょっと待って……!白狐ってまさか……」

『ああ、こいつだよ――こらバカ狐』



黒猫がジャンプして冷蔵庫の扉を開ける。



……人に戻ればいいのに。



内心そんな事を思ったのは内緒だ。



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