黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
『お仕置きしなきゃね』



突然狐から人の姿に戻り、腰に腕を回される。



「ててて、店長……」

「恭夜って呼んでくれなきゃヤダ」

「きょうや……」

「可愛いね――食べたいくらい」



顔が一瞬にして林檎のように真っ赤に染まり、あたふたしていると、黒猫からアリスに戻った。



そして、アリスからもぎゅうっと密着される。



「この変態女は俺のだ」

「変態じゃありませんっ」



慌てて否定する。



恭夜とアリスに取り合いをされている間、桜庭くんの事はすっかり忘れ――数時間後に思い出し、慌てて戻ったのでした。



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