黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
急に喋ったかと思えば、黒猫は突然キスをしてきた。



唇に触れるだけの軽いキスを。



軽くショックを受けていると、追い討ちをかけるように、黒猫は青年へと姿を変えた。



えええ!?



猫がイケメンになった!!?



「やっぱ猫の姿だと疲れるな……まあいい、餌にありつけたから良しとするか」

「え、えさ……?」

「吸血鬼なんだよ。一応名前教えといてやる、主人だから――俺はアリス。で、おまえは?」

「園田沙雪……ねぇ、本当にアリスは吸血鬼なの……?うそ、だよね?」

「じゃあ……証明してやる」

「きゃ!?」



突然アリスは押し倒し、唇を塞ぐ。


さっき勝手に奪っておいてっ!



「んっ」

「甘いな」



唇を離し、アリスはぺろりと自分の唇を舐める。その仕草は猫の時とは違い目に毒である。



「アリスのばかあっ」

「いて……おいこら何をする!」

「ばかばか!私のファーストキス返せ〜」



そこら辺にあったクッションをアリスに投げつける。



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