黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
リビングにすべて料理を並び終え、室内を見回す。和貴はともかくその辺にいたはずの、いるはずのアリスがいない。




「和貴はまあいいとして。アリスがいないなんて……言いすぎたかなあ」



思わずため息が零れる。



ちょっとだけ罪悪感を感じる私に、ルインくんが安心させるように笑う。



「大丈夫ですよ。沙雪さんのせいじゃないですから」



優しくて、甘くて。



私はドキドキしながらルインくんと二人だけで夕食を食べた。料理の味はよくわからなかったけど、たまにはこんな感じもいいなと思う。


一週間に三日は欲しいくらいだ。

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