黒猫拾ったら、吸血鬼でした。おとしものにはご注意を!
『おい俺も混ぜろ』

『なんだ、吸血鬼も来たの? まるで犬だね』

『うるさいバカ狐。酒よこせ』

『はいはい。次期吸血鬼の王のくせに、威厳も何もないね』

『ふん。この姿で威厳も何もあるか』



白狐の隣に無理やり割り込み、酒を要求する。ついでにカニカマせんべいも。



おちょこに雪のように白い酒が注がれ、一気飲みをする。



『和貴はどうしてここにいる? で、出稼ぎはどうしたんだよ?』

『もう終わった、が……白狐とばったり会って、すべて使ってしまってな……』

『バカ烏。どうするんだよ、変態女になんて言うつもりだ?』

『困っている烏を助けた』

『……』



黙り込んだ俺を白狐が笑う。頬が赤いのは飲みすぎのせいだろう。一体どれだけ飲んだんだよこいつ……。



『バカだね。まあ、頑張ってよ』



結局朝方まで酒を飲み続け、ひどい二日酔いに襲われる事になった。



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