○○彼氏。~バレンタイン編~
その言葉に立ち止まるあたし。
「えええええ!!?言っちゃったの!!?」
「え、何を」
「バレンタインの材料買いに行くって!!!」
あたしの迫力に、少しだけ後ずさりした美帆。
「い、言っちゃダメだった?」
だって!だって!!
「バレンタインってサプライズで渡すものじゃないの!?」
そういうあたしに美帆はキョトンとしたあと、
「別に、言ってもいいんじゃない?」
と言った。
「拓真なんか欲しいって自分から言ってきたし。あたしが作るってもうバレてるもん」
いつの間にかあたしたちは下駄箱についており、自分の靴棚からローファーを取り出しながら美帆は言った。