○○彼氏。~バレンタイン編~
「俺と付き合って、バレンタインにチョコを作るせいで優奈の成績が悪くなるのはごめんだ」
秋斗のその言葉を聞いて、さっきまで怒っていたことが申し訳なくなる。
だけど変なプライドが邪魔をして、なかなか謝ることができなかった。
再び沈黙が続いていると、
「ただ、」
と秋斗がまた口を開いた。
「昨日の言い方は悪かった」
私の目を真っ直ぐに見つめてそういう秋斗。
そんな秋斗を見ていると、プライドなんかどうでもよくなって。
「……ん、私も秋斗の考えてること全然理解しようとしてなかった。ごめん」
素直な感情が自然と口をついて出た。