○○彼氏。~バレンタイン編~
「むふふふふ。初めてこんな綺麗なの作れちゃった。美帆ありがとう」
ギュッと美帆に抱きつくと、暑苦しい、と言われて引き剥がされた。
「ふふふー♪ありがとうね美帆」
作った生チョコを眺めながらそう言うと、
「これ、あげるの?」
と聞いてきた。
「え?なんで?」
「だって、あたしも手伝っちゃったりしたから。奈緒一人で作ったわけじゃないし」
そう言われればそうなんだけど・・・・・。
「たぶん一人で作っても大丈夫だよ。これは今日家に持って帰って家族にあげなよ。どうせバレンタインは明後日なんだし」
そっか。バレンタインは明日じゃなくて明後日なんだ。
それに、分量さえ間違わなければあたしでも作れそうだし・・・・・。
「うん、そうだね。明日また自分で作り直すよ」
その日家に持って帰った生チョコを見た家族が、信じられないというような目で見てきたのは言うまでもない・・・・・。