○○彼氏。~バレンタイン編~
「いや、その、なんていうか・・・・・」
「え?ないの?」
そう言うと少しだけムスっとした。
「いや・・・・・ないことも、ない」
「じゃ、ちょうだい」
ん、と言って龍一は手を差し出す。
「そ、それよりさぁ!!龍一、他の女の子達からは、もらった、の?」
「あー、あげるって言われたけど、お前いるし断った」
「!!!!?」
こ、断った・・・・・。
しかも、あたしがいるから・・・・・。
「俺と二日間一緒に帰んないで準備してたんだから、奈緒から当然もらえるんだよね?」
追い討ちをかけるようなその言葉に、とうとうあたしはカバンの中に手を入れる。