○○彼氏。~バレンタイン編~

「あ、あの、怒らないでね?」




「別に、失敗してたり形悪くても奈緒が作ったことにかわりはねぇんだから怒んねぇよ」




て、手作りじゃないんですけどぉぉぉぉお!!!




そろそろとチョコを出す手に、龍一の視線は釘付けになっている。




「・・・・・ドウゾ」




あたしの手から差し出された、市販のチョコ。




「・・・・・」




「・・・・・」




しばらくの沈黙のあと、




「へーぇ、手作りじゃないんだ?」




黒いオーラを醸し出している龍一が口を開いた。




「いや、その、なんていうか・・・・・ごめんなさい」




「ふーん。二日間バレンタインの準備してて、市販のチョコなんだ」




チョコを手に取りそう言う龍一。




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