○○彼氏。~バレンタイン編~
「へ?」
「いや、へ?じゃなくて。もう余ってないの?」
「いや、たしかまだ残ってた、はず」
「じゃあそれもらう」
「でも、一昨日作ったやつだし、美帆も手伝ったんだよ?」
「別にそんなすぐに腐ったりしねぇよ。それに羽山は手伝っただけで奈緒がちゃんと作ったんだろ?」
その言葉にあたしは頷く。
「じゃ、そっちでいい。てか奈緒の手作りがいい」
龍一がそう言ったので、急遽あたしの家に二人で行くことになった。
「はい、これ」
冷蔵庫に入れてあった生チョコを丁寧にラッピングして、龍一に渡す。
「ん。サンキュ」
そういうと軽く微笑む龍一。