○○彼氏。~バレンタイン編~
「俺、今年が一番楽しみ」
あたしの隣に並んで手をつなぎながら拓真はそう言った。
「なんで?」
わざとらしくあたしがそう聞けば、
「彼女からもらえるからに決まってるじゃん!!」
と驚いたように目を丸くする。
「あたし、あげるなんて一言も言ってないよ」
いじわるくそう言うとさらに目を丸くして、
「ええ!!?」
と叫んだ。
「うそうそ。ちゃんと用意するわよ」
そういうと、よかったー、と呟く。
「もちろん手作りだよね?」
ニッコリ、笑顔を向けながら聞いてくる拓真。