○○彼氏。~バレンタイン編~

「そんなに俺と手繋いでるの、いやだった?」




悲しそうな表情でそういわれ、うぐっ、と言葉に詰まる。




「べ、別に、そういうわけじゃないけど・・・・・」




そう言うと、再びニッコリ笑顔になり、




「じゃ、このまま教室まで行こうか♪」




と言った。




え、ええええええ・・・・・。




いや拓真と手繋ぐの嫌じゃないむしろ嬉しいけど繋ぎ方に問題が・・・・・。




廊下を歩いているだけで注目されるあたしたち。




「じゃ、放課後にちょうだいね」




教室に着くとパッと手が離され、拓真は笑顔でそう残して自分の教室に戻っていった。




ホッとする反面、ぬくもりがなくなる手に寂しさを感じた。




そのあとは生チョコに失敗したと落ち込んで学校に来た奈緒を元気づけ、放課後を待った。




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