○○彼氏。~バレンタイン編~

「みーほっ。帰ろ」




下校のチャイムがなると同時、教室のドアにはご機嫌そうな拓真が立っていた。




急いで支度を済ませ拓真の元へと駆け寄る。




そして、そのまま玄関へ向かって帰るのかと思いきや、途中の空き教室に入っていく拓真。




「え、帰らないの?」




教室のドアのところにたち、中に入った拓真にそう声をかけると、




「ガトーショコラ、ここでちょうだい」




と言った。




「なんでここ?帰りながらでもいいのに」




「だって、早く食べたいんだもん」




拓真はニッコリと笑い、早く早く、と催促した。




「どうぞ」




ラッピングされたものを差し出すと、目を輝かせる拓真。




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