○○彼氏。~バレンタイン編~
「開けていい?」
とか言いつつ、もう半分は開けている。
「わっ、すっご。これ美帆が作ったんだよね?」
取り出したガトーショコラを眺め、拓真はそう口にする。
「当たり前じゃない。ほかに誰が作るって言うのよ」
そう言うと、
「なんか信じられなくて」
と言った。
「どう言う意味?あたしこれでも料理は結構できますけど」
あたしが顔を引きつらせてそう言うと、
「じゃあ美帆は将来いいお嫁さんになるね」
と拓真は微笑みながら言った。
「・・・・・っ」
火照った顔を見られないように、咄嗟に下を向く。