○○彼氏。~バレンタイン編~
「ねぇ、美帆。食べさせてよ」
拓真はガトーショコラをあたしに手渡して言った。
「は、えぇ!?自分でたべなさいよ!!」
今度はあたしが拓真にガトーショコラを手渡そうとするも、断固として受け取ろうとしない。
「いや。美帆食べさせて」
そっぽを向いてそういう拓真。
「~~~っ、じゃあ、ほら。口開けて」
観念したあたしは、拓真の口元にガトーショコラを持っていく。
すると、嬉しそうにガトーショコラを頬張った。
「ん、美味しい」
そう言って、あたしの手首を掴んでガトーショコラを食べ始める拓真。
そして、
「ごちそうさま」
口の端についた粉砂糖を指で拭って笑顔で言った。