○○彼氏。~バレンタイン編~
「おいしかったよ」
そう言いながら拓真はあたしの腰に手を回し引き寄せる。
「それはそれは。で、この手は何?」
後頭部に回される腕を掴み、そう言うと、
「今度は美帆をいただこうと思いまして」
と言った。
「何言って、」
あたしが言いかけてる途中、後頭部に回された手に力が入り一気に引き寄せられる。
と、同時にドアップで映る拓真の顔。
「んんっ」
拓真の肩を押しても、びくともしない。
そして、やっと離れた唇。
「ごちそうさま」
大人びた表情で笑う拓真に、こいつはホントに年下なんだろうかと思った。
「ホワイトデー、楽しみにしててね」
「すっごく高いのおねだりしてやる」
―年下彼氏。 完―