○○彼氏。~バレンタイン編~
そして、バレンタイン当日の放課後。
「叶汰、これ」
カバンの中から生チョコを取り出して、叶汰に手渡す。
「バレンタインってことで作ったんだけど」
叶汰の様子を伺っていると、
「わっ、ありがとう。彼女からもらうチョコって初めてだから・・・・・嬉しい」
照れたように頬を赤く染める叶汰に、こっちまで恥ずかしくなってくる。
「あ、甘いもの、大丈夫?」
恥ずかしさをごまかすように口を開くと、
「全然平気!!それに、志乃が作ってくれたやつだったら、なんでも食べる、から」
自分で言いながら恥ずかしくなったのか、だんだんと語尾が小さくなっていった。
そんな叶汰を見ていると、ちょっとだけ悪戯心がウズウズしてきて。
「あたしが作ったものならなんでも食べれるんだ?」
「え?うん」
「その中身、叶汰が嫌いなものの詰め合わせ♪」
そういうと、一気に顔がひきつる叶汰。