○○彼氏。~バレンタイン編~
「帰るか」
と言うと、あたしの手を取って歩き出す。
帰り道、先程のことを考えながら悶々とするあたしに、
「やっぱいい。さっきの言葉は忘れろ」
と優希が言った。
「別にそんな急ぐ必要もねぇし、お前が大丈夫になる時まで待つ」
その言葉に、キューっと胸が締め付けられ。
「・・・・・いいよ」
と、気づいたときには口にしていた。
「あ?」
「だから、いいよ。さっきの言葉」
「・・・・・本気で言ってんの?」
「冗談でこんなこと言わないよ!!けど、心の準備でチョコは作れそうにないから、今年はなしね」
あたしのその言葉を聞いて、優しく微笑んだ優希。