○○彼氏。~バレンタイン編~
「愛歌もらったから、いい」
まだ半分寝ぼけているのか、いつもより柔らかい口調でそういう優希。
「けど、記念日忘れてたこと怒ってない?」
抱きしめる優希を見上げながら言うと、
「そんな心狭い男じゃねぇよ。それに、昨日のことで頭、いっぱい、だったんだろ」
ポンポンと頭を撫でると、優希は寝息をたて始めた。
・・・・・朝、苦手だったんだ。
優希の新たな一面に、自然と頬が緩む。
「ありがと」
そう小さく呟いて、あたしは優希を抱きしめた。
―不良彼氏。 完―