ハジメテノキモチ【短篇】のレビュー一覧


何のハジメテだろ、とワクワクで読んでみて欲しいですね。 かなり直球な物語なのに小難しく色々と考えたくなる作品でございました。 普通に生きていれば何においても“ハジメテ”という事がある訳です。 でも、初めてだった事を忘れがちになるのも普通に生きているという証……みたいな? 何ヶ月かに一度ぐらい、行き詰まったら読みたくなる作品でございます。 たまには初めての気持ちを思い出して、自分が何をしようとしているのか真正面から見てみるのも楽しいもんです。 どうぞ是非、行ってらっしゃいませ。

楽しいから。 楽しいから。その気持ちが自分を動かしていた。 ……最初は。 だけどいつしか、何かがどこかで少し、少しだけ変わっていってしまって。 こうしなきゃ、ああしなきゃ、そんな風に思うようになってしまって。 "must"に動かされているときには、楽しむ余裕さえないんだ。 自分が気づいていなくとも。 素晴らしいものは生み出せないんだ。 自分が楽しめていないんだから。 忘れちゃだめだ、 何よりも大切なキモチ。 物書きさんにはもちろん読んでいただきたいですが、そうでない方にもぜひお勧めしたいです。 小説だけじゃない、すべてのことに当てはまることだから。

大人になり、何かをがむしゃらにやった記憶が有っただろうか? 私は、確実に減っている。 自分の立場や、周りの目、環境や保身、プライド…… 知らず知らずのうちに、色々な鎧を纏い自らをガチガチに固めていた気がする。 それらのプライドは些細な事なのに、もっと大切な『初めての気持ち』をすっかり忘れていたんですね。 色々と考えさせてくれる作品でした。 きっと作者のさかたるいさんは、こういう気持ちを持ち続けている作者さんなのでしょう。 温かい作品でした。 是非とも、読むべし。

私はいたずら好きである。 だから、初対面の人にもいたずらしてしまう。 たとえば、よく冷えた缶ジュースを、ベンチの青年のほっぺたへ、いきなり押し当てるとか。 悲鳴をあげた青年が、なんなんですか、という目で私を見た。 言ってやった。 「驚いた?」 そりゃあ驚きますよ、と返ってきた。 「今まで、こういういたずら、されたことないの?」 ありますけど……と返ってきた。 私はにっこりする。 「不思議だよねぇ、初めてじゃないのに、初めてみたくびっくりしちゃう。これって、何気にすごくない?」 彼が目をぱちくり。 「初めてのって、忘れちゃもったいないよね。こんな風に、いつだって初めてみたく感じられたら……いいよね?」 青年は静かに、そうですね、とうなずいた。 初めての気持ち……それってたぶん、目がさめるくらい、素敵なもの。

たぶん。 物語を書いた事のある人ならば、一度は抱いたことはあるかもしれません。 ふと。 自分を振り返る時を。 何のために『書く』のだろう。 どうして、自分は、こんなにも、長い時間を使って書き続けるのだろう。 ふと、初心に帰る気持ちになる作品だと思いました。 今までのさかたるいさんの雰囲気とは、また別ですが、とてもよい作品です。 是非、皆さん読んでください。

書く事が好きだから、認められたい、面白いと言ってほしい。 そう思う気持ちは誰にでもあります。 でも、それと同時に何かを忘れてきていませんか? 私はこの作品に出会って、その忘れ物を見つけることができました。 やりたい事があって、がむしゃらに突き進んでる人、叶えたい夢があるのに中々前に進めなくて悩んでいる人。 是非読んでみて下さい。 きっとあなたの忘れ物も見つかるはずです。

初めての気持ち。 タイトルに全てが込められています。 作品を書いた時の初めての気持ち。覚えていますか? 初めての気持ちがあれば……。 この作品を読んで、もう一度、あの純粋な初めての気持ちを。 ……思い出してみませんか?

小説を書くこと、なぜ始めましたか? 聞かれたら大概の作家さんは「書くのが楽しいから」と答えるのではないでしょうか? 自分のイマジネーションのままに綴った世界を作る楽しさを、いつの間にか忘れていませんか? 今だから、こそ。 もう一度、原点に。 思い返すための作品です。 ぜひ御一読を。

初めてのあの頃の自分。 何かしらやってきて、時間や経験を積んだ人なら『あぁ、そうだな』って共感するのではないでしょうか。 作家活動も、 恋愛も、 仕事も部活動も子育ても。 何かを置いてきてませんか? 初めての気持ちは、時折振り返ることで『今』をもっと素敵なものに変えてくれるはず。 読みやすいけど、読みごたえのしっかりした物語です。 あなたの”ハジメテノキモチ”呼んでみませんか?

すごく考えさせられる話☆彡 身近な…ほんの些細な所にも、忘れかけたことや無くしたものを呼び起こしてくれるものがあるんだなぁ、と感じました☆彡 オススメの一作です☆彡