いいわけ
あたしは中学生にして人間関係の厳しさに追いやられた。もう誰も信用なんかしない。今度はあたしが利用してやる。

名目だらけの「彼氏」と「友人」とは親しくなろうとは微塵も思わない。けど離れもしなかった。

ただ自分の寂しさが埋まればいいと思っていた。どす黒い自分が露になる。けどあの清香のグループのみんなだって、光だって、みんなみんなそうやって生きてるんだ、って呪文のように何度も唱え罪悪感さえも揉み消す。自分の心さえも騙して隠して、本当の自分なんか見えなくなっていた。




――――…

現実に戻ってきて気がついたら暗い部屋に電気も付けず座っていた。

あたしは変わる。もういじめられたりなんかしない。そしてずっと目を背けていたどす黒い自分と向き合えたらいいな、と漠然と思った。


「加奈、おはよー」
「あ、ゆめおは!」

それから何日か経ってクラスの中でもグループが段々と出来てきていた。あたしは加奈と2人でよくいて、清香も休み時間にはあたしたちの所に来ていた。

さすがに無視はできなかったから、少しの会話はした。それに加奈は直接の被害者ではなかったから、清香とは次第に仲が深まっているようだった。

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