いいわけ


肌は白くて髪は地毛なのか若干色素が薄い。ジャージから見えている腕や足は女のあたしよりも細い気がした。

「ねえあんたさ、なんでバド部に入ったの?」
「え、と……なんとなく」

その男子は気軽に話しかけてくる。入部した理由がラクそうだから、なんて、真剣にやってる先輩の前じゃ言えないよ!

「俺、中学ん時サッカー部だった」
「じゃあなんでバド部にしたの?」
「やったことないから」

人懐っこくて好奇心旺盛で、とても同い年には見えない。でも初対面なのに気さくで、すごく話しやすかった。


「ゆめ、お疲れ!」
「加奈ー、疲れたあ」

部活後、加奈とあたしは購買の前にある自販機の所にいた。昇降口に近く、このへんはよく先輩達が集まっている。

今は放課後であまり学校に人はいないので、あたしたちは床に座って話していた。

「あ」
「あ、お疲れ」

さっきあたしとペアになったチビの男子が友達を引き連れて向かってきた。皆同じ部活だったから見覚えはある。

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