いいわけ


「加奈……どうしたらいいんだろ……」
「なんならあたしが変わりに聞いてあげよっか?」

加奈にはあたしの気持ちも全部話してある。そして最近少しずつだけど、仲良くなってきた清香も知っていた。

「うーん……やっぱり自分で聞くよ。でも、昼休み啓太のクラスについて来て?」
「おっけー!」
「あたしも行っていい?」

清香はためらいがちに聞く。本当にちょっとずつだけど、あたしは清香を許す気持ちが産まれてきた。

そう、初めから清香が全部悪いって訳じゃない。いじめられる方にも非はあったんだって素直に思えるようになった。

「いいよ。3人で行こ」

あたしがぎこちなく笑うと、清香は嬉しそうに笑う。……そうだ。以前はあたし達、仲良くしてたじゃん。1度は気の知れた仲だったんだから、きっといつかは前みたいに戻れると信じたい。


啓太のいる4組を覗くと、その目的の人物は女の子に囲まれている。あたしはヤキモチだとかを焼く以前に、現実にこんなことがありえるのかと驚いていた。


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