いいわけ
「明日登山あるよなー。俺、すげー楽しみ!」
「天気良かったらいいよね!きっと気持ちいいよー」

あたしたちはそのまま芝生の上に座り込んで、話し出す。この時のあたしは、緊張よりも声をかけてくれたことが嬉しかった。

あたしは啓太に近づけてるんだろうか。少しは意識してもらえてるのかな。啓太は普通の女友達としてあたしを見てるの?

あたしには分からないけど、あたしのことを少しでも知ってほしかった。


空がオレンジ色になってきて、そろそろ次のスケジュールがせまる。

「おいおいゆめー、いかがでしたかー?」

加奈と清香がなんだかニヤニヤした顔で近づいてきた。

「ふっつーにお話してただけですよー」

好きな人を友達に知られてるってのはなんか気恥ずかしい。でも話も聞いてくれるし嬉しかった。


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