いいわけ


中学の時はしょっちゅう加奈と2人で下校した。加奈は話が面白くていつも笑わせてくれた。小学校の時は些細な喧嘩をして2年間も口を聞かないなど、今考えたら阿呆なこともしてた。

それくらい仲がいい友達と同じクラスになれて、加奈さえいればもういいやとまでさえ思った。


「久しぶり!元気だった…?」

後ろからいきなり現れてきて正直驚いた。今声かけてきた人も小学校からの友達の清香(せいか)。…いや、友達だった。あたしは中学の時清香にいじめられていた。

過去の自分が頭によぎる。本当に今顔を見ただけでも悪寒がする。嫌悪と悔しさ、それと少しの恐怖を感じた。

どうして話しかけてくるんだろう。あたしのことが嫌いだからいじめてたんでしょ……?あたしはただ呆然と沈黙することしかできなかった。

「あ、おはよ……」

そっけない加奈の返事にいたたまれなくなったのか、清香は離れていった。加奈はあたしがいじめられていることを知ってる。ずっと相談に乗ってもらっている内に、加奈も清香に対して嫌悪を抱くようになった。

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